平成最後の年末ですね。皆さん、いかがおすごしでしょうか? 私は今、千葉の幕張で開催されているCOUNTDOWN JAPANで、平成最後の悪ハシャギをしようと思ったら、体力なさ過ぎてへたれています。
さて、2018年の振り返りをと思いましたが、あまりにクリスマスが暇だったという理由で書いていました。しかも振り返りのはずが、『ハイキュー!!』新作制作決定への喜びを炸裂させるだけの内容で。
とはいえもう振り返ることもない…、いやあった!
ということで今回は2018年の春夏秋冬、それぞれのシーズンで私がハマりまくった作品を「3つのおすすめポイント」と長ったらしい文章でご紹介します。ちなみに、各作品への思い入れが深すぎて、まだ冬アニメ分しか間に合っていません。(残りは年明けにちょっとずつ追加していきます。)
※2019.01.05 春アニメ『ひそねとまそたん』を追加しました。
※2019.01.17 夏アニメ『あそびあそばせ』を追加しました。
※2019.01.21 夏アニメ『BANANA FISH』を追加しました。
※2019.01.22 秋アニメ『ゾンビランドサガ』を追加しました。
- 青春と愛に胸いっぱい!2018冬アニメ(1月~3月)
- 身近に感じるSF!? 2018春アニメ(4月~6月)
- 振れ幅の大きさに戸惑う、2018夏アニメ(7月~9月)
- 新境地開拓! 2018秋アニメ(10月~12月)
- 年末年始に限らない暇人たちへ。アニメという選択肢を
※気づいたら15,000字弱のボリュームとなっていました。たぶん全部読むのはきついと思うので、各アニメの公式サイトに行くか、1話を観たほうが圧倒的に早いと思います。
青春と愛に胸いっぱい!2018冬アニメ(1月~3月)
新しい年が始まるってだけでもなんだかワクワクするのに、新しいアニメが始まるっていうんだから、超ワクワクするんですよね。冬アニメの時期って。そんなワクワクする冬アニメを(私の中で)制したのは…。
ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン
まず1作目は『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』。1作目と言っている時点でお気づきかと思いますが、2018冬アニメからは2作品を覇権アニメとしてご紹介します。1つに絞るって大変~~!!!
<3つのおすすめポイント>
1.圧倒的な映像力
2.いろんな愛のやさしさに触れられる
3.劇団ひまわり、すげえ
この作品の1つめのおすすめポイントに「圧倒的な映像力」があると思います。とりあえず、こちらのPVをご覧いただけますでしょうか?
この映像の力を見ていただければ、私の言葉なんて、きっといりませんよね?
近年、どのアニメもPV制作に力を入れていて、放送日までに何本もの映像が公開されています。私は、その映像たちのクオリティに驚かされっぱなしなのですが、なかでもPVを観て繊細さに「はっと息をのむ」体験をしたのは『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』が初めてでした。
そして、待ちに待ったアニメ本編。毎話、期待をはるかに上回る映像美に、目が釘付けとなりました。特に水、水面のシーンは圧巻です。
普段アニメを観ない人がみてもきっと、この映像の美しさには驚かされると思っています。
2つめは、「いろんな愛のやさしさに触れられる」という点。私はこの作品を通して、「愛」という抽象的なものについて、改めて真剣に考える機会をもらったと思っています。
知りたいのです! 「愛してる」を知りたいのです。
『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』 第1話 「「愛してる」と自動手記人形」より
これは、戦争の道具として生きてきた主人公 ヴァイオレットが、初めて自分の意志を強く表明した、物語の軸ともなるセリフです。
とある大陸の戦時下で、戦う道具として買われたヴァイオレットには、唯一彼女を “一人の人間” として受け入れてくれたギルベルト少佐という、心から慕う存在がいました。
そんな彼女へギルベルトは、「愛してる」という言葉を残し戦火に散ります。しかし戦う道具として生きてきたヴァイオレットにとって、その言葉の意味は未知のもの。
そこで彼女は「自動手記人形(ドール)」という手紙の代筆業に、大切な人が自分に向けて残した言葉の意味を知る可能性を見い出します。そして彼女は、手紙の代筆や人との出会いを通して、「愛してる」の意味に近づいていくのです。
彼女がさまざまな「愛してる」に触れ、言葉に、形にしてくれたことで、私は「愛してる」という言葉のやさしさに気づかせてもらったと思っています。彼女がどんな「愛してる」に出会うのかは、ぜひ作品をみてご確認ください!
そして3つめは、「劇団ひまわり、すげえ」です。
アニメに命を吹き込む1つの重要な要素として、声の演技があります。声優さんの演技1つで、キャラクターへの感情移入や物語背景の理解に差が出ると言っても過言ではありません。
『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』でも、数々の声優さんの名演が観られました。なかでも私が惹きこまれたのは、劇団ひまわり所属の声優さんの演技。
主演の石川由依さんは、あらゆる感情を知ったうえで、まるでロボットのように感情が欠落したヴァイオレットを、声1つで見事に演じ切っていました。またファンとして嬉しかったのが「ヴァイオレットだけは、私が絶対演じる!」と強く願ってくれていたという話。このような強い想いで役と向き合ってくれた石川さんなしでは、ヴァイオレットの成長は見届けられなかっただろうなと思います。
また、10話のゲスト声優の諸星すみれさんの演技には、その日なかなか眠れなくなるほどの感動をもらいました。諸星さんが演じたのは、アン・マグノリアという、お母さんが大好きな女の子。アンは一見、寂しがり屋で甘えん坊な年相応の女の子のように見えますが、体調がよくならない母の状況を受け止める強さも持っています。そんな彼女がヴァイオレットに、これまで抑えていた本音をぶつけるシーンがあるのですが、もう涙が止まりませんでした。小さな体にどれだけのものを抱えて生きてきたのか、彼女のこれまでを想像するだけで、胸が締め付けられたものです。
そしてこのシーンは、諸星さんと石川さんが同時に収録したんだとか。通常声が被ってしまうシーンでは別録りをするそうなのですが、この時は同じ空間で収録したという話をイベントで耳にしました。演者さん自身も泣きそうになるのをぐっとこらえて演技をしたそうです。ぜひともこのシーンは観ていただきたいと思います。
本当に『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』には、ほぼ毎週ボロッボロに泣かされました。干からびるかと思ったほどです。しかし観終わったあとには確かに、じんわりとしたあたたかさが心に残ります。
観るときは必ず、ハンカチを13話分、13枚用意しましょう。あとボックスティッシュも必要です。
そして2020年には、完全新作劇場版の公開も控えています。この年末年始、『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』にハマった方がいらっしゃれば、私までご一報ください。一緒に映画観にいきましょう。
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宇宙よりも遠い場所
2018冬アニメから選出したもう1作品は、『宇宙よりも遠い場所』。とりあえず端的に説明すると「女子高生が南極へ行く」物語です。
<3つのおすすめポイント>
1.これぞ、青春
2.「ざまあみろ」精神の強さ
3.音楽も良き…
この作品のおすすめポイントの1つめは、「これぞ、青春」です。
「女の子4人が、宇宙よりも遠いと言われる南極をめざす」というと、割とぶっ飛んだ物語のようにも感じますよね。しかし本作は、南極に行く旅物語というよりも、むき出しの瑞々しい青春をとことん堪能できるアニメだと思っています。
物語は、高校生になったら何か始めたいと思っていたのに、いざ何かに挑戦しようとすると失敗をすることを恐れて一歩を踏み出せない主人公のキマリこと玉木マリと、とある理由で絶対南極へ行くと宣言する小淵沢報瀬(こぶちざわ・しらせ)との出会いからはじまります。
どんなに周囲にバカにされても、「絶対に南極に行く」という報瀬の行動力に感銘を受けたキマリは、彼女の南極行きを応援すると宣言。そんな彼女に報瀬は「一緒に行く?」と声をかけます。そしてキマリと報瀬、ふたりの想いに共感した三宅日向、3人の関係性に惹かれた白石結月が加わり、4人で宇宙よりも遠い場所、南極へ行くことに。
私はこの作品を観て、素直に「友達っていいな」と感じました。普段1人で過ごすことが好きな私が、です。
南極は、1つの判断ミスや遅れが命取りになってしまう過酷な環境。だからこそ、仲間と通わす感情に、嘘偽りが通用しないのです。それぞれの想いや悩みを胸に南極を目指した4人にも、過酷な環境下で、自分と向き合う場面が出てきます。普通だったらただ落ち込んでしまったり、なあなあでごまかしたりして収集をつけてしまいそうな場面で彼女たちを救ってくれるのは、自分以外の3人なんです。
彼女たちが体当たりでお互いの感情を交わす姿をみて、「青春ってこういうことだよね!」と、胸が熱くなりました。
2つめのおすすめポイントは、「「ざまあみろ」精神の強さ」です。
この作品で私は、報瀬の「言いたい人には言わせておけばいい」「自分をバカにした人たちを、ざまあみろと見返してやる」という姿勢に、カッコイイという感情を越えて、とにかく憧れました。
私もこんな姿勢を貫きたいと常々思うのですが、やはりそう簡単に割り切れないところもあるんですよね。だからこそ、どんなに周りに変人扱いされても南極行きをあきらめない彼女の姿がキラキラと輝いて見えたんです。
また「ざまあみろ」と直接的に表現していなくても、4人はそれぞれが心に抱えていた葛藤や過去と、この南極で「ざまあみろ」します。私は、葛藤や過去を拭い去るのが本当に苦手でなあなあにしてしまいがちなのですが、彼女たちは他の3人と一緒に、とにかくポジティブにこれまでの自分を乗り越えていくんです。
そんなポジティブに自分の意志でこれからの自分たちの道を切り開いていく彼女たちの姿に、私は勇気づけられました。
3つめのおすすめポイントは、「音楽も良き…」です。
オープニングとエンディング、劇伴も余すところなく満喫できる作品は名作だと私は思っています。そして『宇宙よりも遠い場所』も、この条件に当てはまる大!名!作!です!!
毎週、オープニングテーマの「The Girls Are Alright!」が流れれば、4人の女の子たちが見せてくれる、体験したことのない世界とキラッキラの青春にワクワクさせられましたし、
エンディングテーマの「ここから、ここから」には彼女たちのこれからの旅と未来に希望を感じさせられました。
また挿入歌の「またね」という曲があるのですが、泣かせるためにかいた曲じゃないかと思うほど、涙なくして聴けません。あったかい涙が流れます。アニメを一通り観たあとにサントラを聴いてこの曲が流れると、街中でシーンが蘇るんです…。私は、福岡の街中で一回目から涙が落ちそうになったので、外で聴くのを禁じました。
『宇宙よりも遠い場所』を観る際はぜひ、この作品のために書き下ろされた名曲たちに耳を澄ましてみてください。作品の良さがさらに光り輝くはずです。
ちなみに本作は、2018年12月、ニューヨーク・タイムズ紙の「2018年 最も優れたテレビ番組(The Best TV Shows of 2018)」海外番組部門10作品の1作品に選ばれています。すっげ~~~!!!
ぜひ世界規模の『宇宙よりも遠い場所』をこの年末年始に観てみませんか?
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身近に感じるSF!? 2018春アニメ(4月~6月)
春もまた、新しい年度が始まることもあって、ドキドキやワクワクが高まる季節ですよね。そんな気持ちをますます高めてくれた作品が、2018年の春アニメにありました。
ひそねとまそたん
『ひそねとまそたん』は、航空自衛隊岐阜基地を舞台にしたSFアニメです。
<3つのおすすめポイント>
1.どこまでも現実的な人間味
2.どこか懐かしさを感じる作風
3.エンディングテーマの衝撃
この作品の1つめのおすすめポイントは、「どこまでも現実的な人間味」。
本作の舞台は先ほどご紹介した通り、実在する航空自衛隊岐阜基地です。しかし、物語の根本は空想の世界を描くSF。実は航空自衛隊の基地で管理している航空機の中に、“ドラゴン” が擬態している機体があるのです。
この作品におけるドラゴンは、古来から国を繁栄させる言い伝えられてきた存在。ドラゴンを保有する国は近隣国から攻撃対象となるため、ドラゴンを擬態・扮装させてきた歴史があり、現代ではその役割と管理を航空自衛隊が担っているという設定があります。航空自衛隊という実在する世界が、これらの設定によって一気に空想の世界へと塗り替えられているのです。
しかし私は、この作品のおすすめポイントとして、「現実的な人間味」というワードをあげました。
確かに本作では、空想上の生き物にパイロットとして乗り込むキャラクターたちが描かれています。
放映開始当時に何気なく呟いたひそまそネタですが、本当に神話、民俗的な話になってしまいましたね…
— 各務原市立中央図書館 (@bookakamigahara) 2018年6月30日
興味を持った方は全国各地の伝説や民話を調べてみるのも面白いかも!
各地のお話はその土地の図書館の郷土コーナーに大切に保管されているはず。是非、足を運んでみては如何でしょう?#ひそまそ https://t.co/WTq5nrpIEE
また話が進むにつれ、上のツイートで触れられているように神話的要素も強く出てきました。
しかし、これだけ非現実的な世界が繰り広げられているにも関わらず、現実的な人間味を感じてしまったのは、嘘がつけない等身大のキャラクターの存在があったからこそだと思います。
SFの世界って、どう考えても普通の人間には到底受け入れられないことばかりが起こるじゃないですか? それなのに登場人物たちは、その現実を案外すんなりと受け入れているような気がしていました。受け入れないと話が進みませんしね(笑)。
しかし本作では、ドラゴンを受け入れられなかったり、乗りこなせなかったりする主人公 甘粕ひそねの姿が描かれています。空想的な世界への違和感に正直なひそねに、親近感を覚え、感動してしまったんです。
また こちらのブログでも書いていますが、非現実的環境の中にある当たり前の日常にも親近感を覚えました。四角をゴムでとめるニトリっぽいベッドシーツなんて、他の作品では観たことなかったよ~!! 一緒の使ってる~!!
どこまでも現実的なキャラクターが、夢の世界へと連れて行ってくれる。そんな、私たちの日常に寄り添いつつも、SFならではのワクワクを感じさせてくれるのが『ひそねとまそたん』なんです!
2つめは「どこか懐かしさを感じる作風」です。
私は古のオタクではないので、昔のアニメについてはよく知りません。しかし『ひそねとまそたん』をはじめて観た時になぜか、「懐かしい!」と感じたのです。
太めの線のタッチやオープニングとエンディングの歌詞テロップ。劇伴やクレジットのフォントなど、なんだか昔観ていたアニメっぽさを感じさせる何かが『ひそねとまそたん』にはありました。
また、ただ懐かしいというだけではなく斬新さが感じられたのも、この作品にのめりこんだ1つの理由だと思っています。やわらかでかわいらしい絵のタッチと徹底して書きこまれたメカニックの融合が、とても新鮮だと感じたのです。
実家に帰ったら、木造の居間に最新の家電が導入されていた、みたいな感覚が味わえるアニメだと思います。全然たとえがうまくなくて悔しい…。
そして「エンディングテーマの衝撃」が3つめのおすすめポイントです。
2話で流れてきた絶対一緒に口ずさめないフレンチポップに、私は衝撃を受けました。さらに最終話目前の11話では、まさかのインストゥルメンタル! 歌詞字幕はついているものの「絶対歌わせる気がないだろ!」と…。アニメスタッフからの挑戦なのかなと思いました。
でも一度聴いたらもう忘れられない、エンディングテーマ。もくもくと踊りまくるキャラクターたちの姿も必見です。
どこか遠くに感じるSFアニメを、ぐっと身近に感じさせてくれる『ひそねとまそたん』。空想上の物語だからこそできる壮大な世界観と、どこまでもリアルなキャラクターたちの姿の絶妙なバランス感にうなってしまう作品です。
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振れ幅の大きさに戸惑う、2018夏アニメ(7月~9月)
冷房の効いた部屋でダラけることがなによりも幸せな夏。プール? 海? 花火大会? んなもん知らんわ。「私は家でアニメを観る」という確固たる意志を持って家にこもった結果、2018年の夏も覇権アニメを1つに絞れませんでした。
あそびあそばせ
『あそびあそばせ』は、かわいい女子中学生3人組の、ちょっとほっこりな日常を描いたアニメです。
あ、すみません。今、私、ウソつきました。
<3つのおすすめポイント>
1.詐欺
2.濃厚
3.共犯
おすすめポイントの1つめ「詐欺」を語るにあたり、こんなにわかりやすく表現したものはないなと思う映像があるのでこちらをご覧ください。
これは、原作マンガのCMです。
私はこの「アレ? おかしいな~」を、アニメで体感しました。
だって、こんなかわいいオープニング観たら、誰でもかわいい女の子の日常アニメを期待するじゃないですか?
そして蓋を開けたその実態は、原作マンガのCM通りだと思ってください。
とまあこんなアニメなんですが、2018年夏のクリス的覇権アニメに選ばれた作品なので、まだまだおすすめポイントがあるんですよね。その2つめが「濃厚」です。
この作品に出てくるキャラクターたち、なんともまあ濃いこと。1度見るともう、脳裏にこびりついて離れてくれません。
メインの3人の女の子たちは、言わずもがな。他にも、ケツからビームが出る執事とか、下界におりてきて吐息を漏らすお兄ちゃんとか、生活指導を行水で切り抜ける生徒会副会長とか…。
「お前は何を言っているんだ」と言われそうなんですが、こうとしか説明のしようがないキャラばかりなんですよね…。もっとシンプルに生きてほしい。
でも、このキャラクターたちの濃厚さに病みつきになっていることに気づいた時にはもう、手遅れでした。
そして3つめのおすすめポイントは「共犯」です。
この作品のスタートは、必ずあのかわいいオープニングから。そして前半のAパートと後半のBパートと流れていきます。このAとBの間に必ず、原作マンガのCMがはさまれるのです。
CMまで含んだこの構成力! 特に1話を観た時に感じた「アレ? おかしいな~」が確信に変わった時の変な感動は忘れられません。
そして、物語をすべて見終わった後に流れるエンディングテーマ…。
もう、完璧。
華子・オリヴィア・香純の3人の狂気を知れば、このエンディングでしかこのアニメは締められないと感じるはずです!
今回ギャグ、コントという事でネタの追求の為、偉い人達含めスタッフ達のブレーキを外したり壊したりしてました。
— 監督 岸誠二(チームティルドーン所属) (@kishiseiji) 2018年9月24日
みんなちゃんとした社会人ですから。
最終的にはスタッフ一同のタガを綺麗に外す事が出来たのではないかと。
煽って良かった。
みんなが同じ方向を向いた作品は強いです! #asobiasobase
『あそびあそばせ』をつくった岸監督は、このように呟いています。このつぶやきから私は、つくった人たちのタガが外れていたからこそ実現できた面白さがあったと思いました。正直、作中には各所に怒られそうなネタがあちこちにありましたし…。
また先ほど触れたCMの挟み方が、監督のつぶやきの中に含まれるかどうかは定かではありません。しかし、CMを含む30分という尺を作品づくりにいかす方法があるなんて、このアニメを観るまで私は知りませんでした。
『あそびあそばせ』は、ブレーキ壊れた人たちが共犯となってつくった作品は強いということを、視聴者にも体感させてくれるアニメだと思います。
と、ここまでいろいろ書いてきましたが、今一度確認しておきますね。『あそびあそばせ』は、頭のねじを外して観られるギャグ作品です!
「あれ、私、いつの間に観る番組変えたっけ?」という錯覚に陥るかもしれませんが、たぶんそれは『あそびあそばせ』です。こんなにも「詐欺」という言葉がよく似合う作品は、なかなかないと思いますよ。
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BANANA FISH
『BANANA FISH』を一言で表現するならば、私は「深い愛」の物語だと思っています。
<3つのおすすめポイント>
1.普通じゃない世界で、普通でいられる関係性
2.アッシュが生きているという奇跡
3.ファンの不安を軽く飛び越える
私は『BANANA FISH』を、「深い愛」の物語だと紹介しました。しかし1話を観たら、「どこが?」と感じる方がほとんどだと思います。
タイトルの「BANANA FISH」は未知の薬物。その正体を暴こうとアッシュは動き出すのですが、彼の調査を阻害しようとする勢力との銃撃戦必至の激しい抗争に巻き込まれていきます。
正直バンバン人は撃ち殺されるし、物語のカギとして薬物を取り扱っているしで、かなりハードな内容だと思います。それでも「深い愛」の物語だと感じるのは、メインキャラクターであるアッシュと英二の間に「普通じゃない世界で、普通でいられる関係性」があったからです。
主人公のアッシュは、頭脳明晰でありながら戦闘・運動能力も高く、しかも誰もが惹きつけられる美しい容姿を持っている青年。そのカリスマ性から、若干17歳にしてニューヨークストリートキッズを束ねるボスとして多くの若者たちに支持されていました。
そんなカリスマ性を持つアッシュですが、実は幼いころに性被害にあい、そして男娼として囲われていたという過去を持っています。そのため彼はだれにも心を開かず、自分を愛せずにいました。
そんなアッシュが出会ったのが、ニューヨークストリートキッズを取材しに助手として日本からやってきた奥村英二です。
銃がない平和な環境で育ってきたにもかかわらず、多くの人間を殺してきたアッシュのことを恐れず蔑まず1人の人間として向き合う英二。そんな英二にアッシュは戸惑いつつも心を許していきます。ずっと孤独に生きてきたアッシュにとって英二は、最も大切な存在となるのです。
アッシュとともに「BANANA FISH」の謎を追うこととなった英二。しかしアッシュが最も大切に想っている英二は、BANANA FISHの調査を阻害しようとする敵からするとアッシュの弱点でしかありませんでした。
繰り返し敵から狙われる英二。しかし彼は、アッシュを孤独から救いたいと心から願っていたため、行動を共にすることをやめませんでした。
アッシュは英二を命がけで守る。
英二はアッシュへ常に寄り添い孤独から救う。
すぐにでも逃げ出したくなる血なまぐさい世界において、ふたりが相手に抱くそれぞれの形での「深い愛」は、一筋の光でした。
お互いのバックグラウンドが正反対のアッシュと英二。しかしふたりはその違いを受け止めたからこそ、唯一無二の親友となれたのだと思います。ボスであることや戦うことを忘れたアッシュが、普通の10代に戻り英二と楽しそうに過ごすシーンを見ているだけで、私は胸が熱くなりました。
1つめのおすすめポイントだけでこのボリュームって…、と自分でも引いていますがここから2つめの「アッシュが生きているという奇跡」について触れていきます。
こちらのnoteでも書きましたが、この作品の原作は1985年に連載が始まった少女漫画です。20年以上も前の作品なので、今とは描かれる時代背景が異なります。物語の最初に出てくる戦争シーンは、原作ではベトナム戦争でしたが、アニメではイラク戦争が描かれていました。
またアッシュはBANANA FISHの謎を解き明かすためにIQ180以上の頭脳を発揮しますが、その頭脳は原作が連載されていたスマホなどがない時代だったからこそ映えたという原作ファンの見解がありました。便利なツールはアッシュのスマートさを軽減してしまうのではないかという懸念です。
しかしどんなに便利なアイテムがあったって、アッシュの頭の良さや回転の速さは突飛していました。スマートに、時に情熱的に危機を乗り越えていくアッシュの姿をみて私は、何度も「アッシュが生きてる…奇跡…」と思ったものです。
カリスマ性のあるキャラクターは、時代なんかに左右されないんですね…。ああ、カッコイイ…♡
最後に3つめの「ファンの不安を軽く飛び越える」について触れていきます。
先ほど原作ファンの見解に少し触れましたが、『BANANA FISH』のアニメ化は原作ファンも納得いくものとなったと思っています。感覚的にではありますが…。
原作付きのアニメには、「あのシーンが削られてた…」「あのシーンが大事なのに…」という気持ちを抱くことがままあります。そのため、なんとなくしこりが残る作品も少なくありません。
『BANANA FISH』には、そのしこりがありませんでした。というより、物足りなさを感じる暇がなかったんです。
毎週ハラハラさせられた、全24話のストーリー。
胸を打たれる、アッシュと英二の関係性。
目がハートになってしまう、アッシュのカッコよさ。
原作の良さはしっかりと。それなのに初めてこの作品に触れるかのような新鮮さもある。そんなアニメに『BANANA FISH』は仕上がっていたのです。
もちろん、原作ファンのなかにはアニメに満足してない人もいると思います。実際に母の友人はイマイチだったと言っていたそうです。しかしSNS等の感想を見ていると、原作ファンも納得の完成度だったのではないかと思います。
「え、この時代に映像化できるの?」「あのアッシュのカッコよさを現代で表現できるわけない!」というファンの気持ちを、TVアニメ『BANANA FISH』は軽く飛び越えたと思うのです。
アッシュと英二は、次から次へと逆境に立たされます。その逆境を乗り越えていくシーンはスリル満載ですし、いちいちアッシュがかっこいいのでドキドキが止まりません!
強い絆の物語やハラハラする心理戦が好きな方は、ぜひ観てみてください。20年以上も前の作品だというのが信じられないくらい、今観てもドキドキする作品ですよ!
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新境地開拓! 2018秋アニメ(10月~12月)
秋アニメも非常にたくさんの作品が放送されていた…はずなのですが、もうこの作品が全て持っていった感がすごいので、有無を言わさず覇権です。
ゾンビランドサガ
<3つのおすすめポイント>
1.掴み、完璧
2.新ジャンルを開拓!?
3.ライブに行きたくなるなる
最初のおすすめポイントは「掴み、完璧」です。
まず1話のしょっぱなに、夢と希望にあふれキラキラと輝く主人公の女の子が交通事故にあうなんて、誰が考えたでしょうか? しかもそのシーンが5アングルで展開されるなんて、想像を超えてくるにも程があります。しょっぱなからの想定外なストーリーと映像展開に、目が釘付けになりました。
そもそも、事前情報が少なかった『ゾンビランドサガ』。オリジナルアニメなので先が読めないのは当たり前なんですが、そのなかでも圧倒的な「得体のしれない度」の高さを誇っていたと思います。
しかもアニメの放送が始まってからも、“ ゾンビが佐賀でアイドルをする ” というぶっ飛んだ内容を、頭が処理しきれませんでした。にもかかわらず「これから、どうなるの…?」と目が離せなくなってしまったんです。
1話のインパクトだけでここまで視聴者の心を掴む作品は、本当に珍しいと感じました。
おすすめポイント2つめは、「新ジャンルを開拓!?」です。
事前に公開されたPVで「新感覚ゾンビ系アニメ」と表されたこのアニメ。そもそもこんなアニメのジャンルは、これまでありませんでした。きっと配信先やメディアは新たなタグを作らないといけなくなったのではないでしょうか。
しかも「ゾンビアニメ」「アイドルアニメ」とくくるのはあまりに雑だと思わせる、様々な要素が含まれた作品だったんです。
さくらはんがいないステージを成功させるくらいなら、さくらはんと一緒のステージで失敗したいと
このセリフは、「自分はなにをしてもどうせ失敗する。」とステージに立つことを拒む主人公の源さくらに、幕末の伝説の花魁ゾンビ ゆうぎりがかけた言葉。
ふたりが生きていた時代は全く異なります。しかし生きていた時代が違うとかそもそもゾンビじゃんとか、そんなことは彼女たちにはどうでもいいことなんです。彼女たちにあったのは、同じアイドルグループのメンバーとして苦楽をともにしてきたからこそ一緒にステージに立ちたいという、シンプルかつとても強い「仲間愛」「友情」。
この「仲間愛」や「友情」も、『ゾンビランドサガ』を語るうえで欠かせない要素の1つだと、私は思っています。また他にも「コメディ」や「音楽」などの欠かせない要素がこれでもかというほど詰め込まれているんです。というより、観る人によっていろんな要素が追加される作品だと思っています。
そもそもゾンビがアイドルをするなんていうオリジナル作品を企画するだけでも、ものすごい勇気があるなと私は思います。実際にこのアニメを手掛けた1社であるCygamesの稟議になかなか通らなかったという裏話も。*1。
アニメは空想上の話です。だから、いろんな要素同士を掛け合わせられます。『ゾンビランドサガ』は、その数ある要素のなかから「ゾンビ」×「アイドル」というこれまでにない掛け合わせで、視聴者を驚かせてくれました。
そして「友情」「コメディ」などの要素もたっぷり含ませたこの作品は、「ゾンビもの」「アイドルもの」とくくれない、唯一無二のジャンルを確立したと思います。
またこのようなジャンルが誕生したのは、一見すると無理難題な企画を何とか通してくれた人たちがいたからこそ。これまでにない作品作りに挑戦した人たちがいなければ、「新感覚ゾンビ系アニメ」なんてジャンルは生まれてなかったかもしれません。『ゾンビランドサガ』の企画が、Cygamesさんの稟議に通って本当によかったと思います。
そして最後におすすめするポイントが「ライブに行きたくなるなる」です。
私はこの作品に出てくるアイドルグループ「フランシュシュ」のライブ感あふれる楽曲が流れるのを、毎週TVの前で楽しみにしていました。
以前こちらのブログで紹介したオープニングテーマの『徒花ネクロマンシー』はもちろん、1,2話で披露されたごりっごりのデスメタルやラップバトルに意表をつかれたファンは多かったと思います。私もそのうちの1人です。
また物語が進む中でそれぞれのメンバーの過去回が放送された際には、そのメンバーらしい楽曲が楽しめました。
ちなみに私は、平成アイドルの元トップ水野愛ちゃんと昭和アイドルの矜持を貫く紺野純子ちゃんが支え合って歌った『アツクナレ』と、フランシュシュのリーダー 二階堂サキちゃん曲の『特攻DANCE』が特にお気に入りです。
楽曲のすばらしさは、作品を観て聴いてもらわないと伝わらないと思うので、とにかく観てください。お願いします。
ちなみに「フランシュシュ」のライブも決定しました~!!! 引くくらい高い倍率だと噂のチケット争奪戦に、私も挑戦中です。生でフランシュシュの歌を楽しめたらと思うとゾクゾクします。全国の映画館でライブビューイングもあるので、アニメ観て楽曲にハマった人はライブでもフランシュシュを満喫しましょう!
少ない事前告知と1話のインパクト、新しいジャンルの提供、意表を突く楽曲たち。制作側のさまざまな策略にまんまとはめられた感はありますが、そこに快感すら覚える、本当に楽しい3ヶ月を過ごせました。こんなエンターテインメントアニメをこの時代に届けてくれてありがとうございました!
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年末年始に限らない暇人たちへ。アニメという選択肢を
もうとっくに2019年の仕事始めを済ませた人が多いでしょう。しかし私の中では1月いっぱいは年末年始みたいなものなので、このブログもありってことにします。
暇だけど外には出たくない、まだ正月気分が抜けていないといった方は、今回紹介した2018年のアニメを観てみることも検討してみてはいかがでしょうか?
それでは今年もよろしくお願いしま~す。