え、うそでしょ? まだ映画『プロメア』を観ていない、なんて……。
と煽るつもりはありませんが、とりあえず『プロメア』を観てほしい気持ちを抑えきれず、布教活動に勤しむことにしました。
今回は、私の全細胞が「観て!」と叫んでいる映画『プロメア』をプレゼンします。
2020年6月15日 更新
ストーリーに置いてきぼりにされない
近年、劇場版アニメの上映が増えています。しかしそれがテレビシリーズの総集編だったり続き物だったりすると、もともとファンでなければわざわざ観にいかないでしょう。その点オリジナル作品は、誰でもスタートラインが一緒だから観やすいと思います。
とはいえ、非現実的な世界が描かれることが多いアニメ。物語設定の理解自体が難しいこともあります。
今回紹介する『プロメア』は、物語設定が非常にわかりやすく、かつハチャメチャに熱い作品です。
端的に言えば、火消し(バーニングレスキュー)と放火魔(マッドバーニッシュ)の物語。これさえ押さえておけば、大半のストーリーがスッと入ってくるはずです。
私も前情報なしに、キービジュアルの色彩と制作会社のTRIGGERが好きだからという理由で観にいって、今このようにズブズブと沼に浸かっています。
正直、アニメ作品で前情報なしにここまで置いてきぼりにされないのは、珍しいと思いました。きっと「暇だしなんか面白い映画あってないかな」というノリで観ても、存分に楽しめる作品です。
アクション、すっっっっっごい!!!
『プロメア』は、ストーリーがわかりやすい作品だと紹介しましたが、実は私にはストーリーの一部に理解できない部分がありました。おそらく初めて見る人は、バーニッシュ誕生秘話の部分にはちょっと突っかかると思うので、それは「プロメア 考察」で検索したら理解が深まると思います。
私はそれに頼らずなんとか自分の力で理解したいと、すでに3回劇場に足を運んでいます。しかし完全に理解には至っていません。なぜなら、アクションシーンが圧倒的すぎて、深く考察をしようと思っても冷静にスクリーンに目を向けられないからです。
めちゃくちゃ優しい公式が動画で冒頭のアクションシーンを公開してくれているのですが、この数分の動画だけでもそのアクションシーンの目まぐるしさが伝わってくるのではないでしょうか。とにかく絵が動きまくるので、スクリーンから目と意識が離せないんです。
そしてなんといっても、炎の描写がとても印象的。炎といえば赤、オレンジといった印象があると思いますが、プロメアで描かれるそれは、ピンクと水色。炎として見ると、とてもやさしくポップで意外性のある色彩です。にもかかわらず、炎だと認識させる絵の力に脱帽しました。
また幾何学的な表現にも、ぜひ注目を。こんなにも三角でカクカクしている炎の描き方は、観たことがありません。
このように視覚的に斬新な表現が多いので、新しいものと出会った時のようなワクワク感がずーっと続きます。「最初からクライマックスかよ」と言いたくなるぐらいの躍動感あふれるスクリーンを観ていたら、冷静に分析なんてしていられません。正直、理解できない部分は少し残しつつも、このアクションシーン見たさに劇場へ通っている節があります。
音楽かかる瞬間が神がかっている
今作の劇伴を担当するのは、澤野弘之氏。アニメファンなら、この人の名前を知らない人はいないといっても過言ではないと思うくらいの御人です。作中で曲が流れた瞬間に「あ、これ澤野さんじゃん」と思うくらい、楽曲から澤野の香りが漂います。
そんな澤野臭は今作でも大いに発揮されており、しかも熱く激しい物語と見事な融合を果たしていました。
曲が流れだすタイミングは、鳥肌もの。アクションシーンなんかは絵だけでもお腹いっぱいなのに、サウンドが加わることで満腹感の向こう側にいけます。
それと今作の音楽の功労者は、もう1人。主題歌を担当したSuperflyさんです。
バトルシーンでかかる『覚醒』を聴けばもう、全身の血が滾って一気に体温が上がるでしょう。この感覚は、劇場でぜひ体感してほしいです。
お願い、『プロメア』観て
公開当初、私が住んでいる福岡ではどんどん上映回数が減っていった『プロメア』。しかしSNSでの盛り上がりや口コミもあってか上映回数が増え、さらには前日譚つき上映、4DX上映、応援上映、英語字幕版上映とさまざまな形で楽しめました。上映館が減るたびに「絶対、超ロングランしてもおかしくない、めっちゃくちゃ熱い作品なのに!!!」だと感じていたので、「時代がプロメアに追いついたんだ」といちファンのくせに調子に乗っていました。
そして公開初日から1年以上たった今(2020年6月15日現在)、プロメアはなんとまだ劇場で公開されているんです! なんてこった! 最高に熱いじゃないか!
体調に問題ない方はぜひ、マスクをつけて、ソーシャルディスタンスをたもって、ぜひ劇場で熱い映像と音楽、物語を全身に浴びて、燃えたぎってください。
『プロメア』は、映画というよりアトラクションだと思います。それくらい心の底から燃えたぎる、とてつもない快感が味わえる作品です。
映画『プロメア』公式サイト:https://promare-movie.com