皆さんは、初回を見逃したドラマやアニメを2回目から観ることができますか?私は、なんだか悔しい気持ちが出てきてしまい、観ることができないのですが、もうそんなこと気にせず「リアルタイムで観とけよ、バカぁぁぁぁあああ!!!」となったアニメについて今日はお話します。
『ユーリ!!! on ICE』沼に一瞬で沈む
リアルタイムでハマってありとあらゆるイベント込みで楽しみたかったと、絶賛後悔中のアニメの名は『ユーリ!!! on ICE』。2016年秋アニメとして放送され、話題沸騰となった男子フィギュアスケート競技を描く作品です。 正直話題になりすぎてて、「私はミーハーじゃない!」という謎のプライドも出てきてしまって観ずにしばらく時間がたちました。で、5月に半ニートになりまして、時間が有り余るわけです。となると、することなんてきまってるじゃないですか?
1.アニメを観る
2.おすすめ作品欄に『ユーリ!!! on ICE』が表示される
3.まあ悲しいことに時間あるし、観てみるか
4.あぎゃぁぁぁあばはああぁぁぁぁいいいいううううおおおおおおおおお!!!
このように、見事にハマりにハマって現在に至ります。もうこんな罪なアニメ生み出してくれてありがとう。
魅せ方が反則。細かすぎるスケート美
原作が好きでアニメが始まるのを待ちわびていた作品じゃない限り、スタートからドンピシャでハマる作品はなかなかないのですが、『ユーリ!!! on ICE』の場合、1話の冒頭からのめり込みました。できればBlu-rayを買ってみてほしいのですが、とりあえず番宣CMとディザーPVを絶対!観てください。
スケーティングシーンの美しさよ…。
滑る時の氷が削れる音、滑ったあとの氷の軌跡、光の反射、柔らかな表現力のある全身の動き。フィギュアスケートの美しさが詰まっているようなたった数秒の映像。これを観た瞬間に、「ああこれ、ハマる」と私は確信しました。
1話冒頭はもちろん、作中のスケートシーンは本当に圧巻。このアニメのためだけに作られた、選手一人一人の個性が光るプログラム。一つ一つの表情や振り付けが細部まで作り込まれ、スポーツとしても芸術としても楽しめるスケーティングに、心を鷲掴みにされました。
スケーティングシーンがかなり長く、しっかり描かれているのも素晴らしい!制作したアニメーターの皆さんに、ただただ感謝しかできない作品です。MAPPA、愛♡
「音楽」との融合が凄すぎるアニメ
圧巻のスケートシーンはもちろんなんですが、私が『ユーリ!!! on ICE』沼に一瞬で使った理由はほかにも。
私がアニメにハマる大きな要素に「音楽」があります。ストーリーの入り・締まりにも影響するオープニング・エンディングはもちろん、ストーリーやキャラクター心理をより一層深める劇伴も大好きでよく聴いています。
『ユーリ!!! on ICE』の音楽もいわずもがな “ソー!ベリー!グッド!” でしたが、なかでも各選手のスケーティングに欠かせない楽曲がとにかく最高!!だから、なかでもお気に入りの楽曲をご紹介します。
「愛について~Eros~」(勝生勇利/ショートプログラム)
「愛について~Agape~」(ユーリ・プリセツキー/ショートプログラム)
アニメタイトルにも入っている「ユーリ」。主人公・勝生勇利には、ロシアのユーリ・プリセツキーというライバルがいます。
日本とロシアの2人の ”ユーリ” がショートプログラムで魅せた「愛について」。「エロス(性愛)」と「アガペー (無償の愛)」という対照的な「愛」を、アレンジ違いの楽曲とプログラムで表現しています。
恋愛経験に乏しい日本の勇利が、相手を誘惑する挑発的で情熱的な「エロス」を。勝ちにこだわり自我が強いロシアのユーリが、無垢で清廉潔白な「アガペー」を。今までにない自分の扉を開き表現することに、2人のユーリも最初は戸惑いを隠せず、なかなか曲の理解ができず、プログラムを自分の中で昇華できませんでした。でも、それぞれの形で少しずつ自分のものにしていきます。
勇利が「エロス」で魅せる表情や動きは、回を追うごとに色気を増していきます。楽曲のフラメンコのリズムにのった艶かしい演技に、翻弄されてしまう…♡ 勇利自身、コーチのヴィクトルがデモでこの曲を滑った時に「男のボクでも妊娠してしまいそうなほどエロス」と漏らしていましたが、大丈夫。勇利のエロスも十分妊娠してしまいそうだから。普段とのギャップも相まって、勝生勇利の大人の色気が暴発しているプログラムになっています。<第3・5・6・8・11滑走>
ユリオ(ユーリ・プリセツキーの愛称)の「アガペー」も、回を追うごとに、どんどん美しく透き通っていきます。滝行を経て、たどり着いたじいちゃんへの無償の愛も、たくさんの出会いで得た、多くの人への愛が溢れるものに変化していました。何の見返りも求めていない、深く美しい愛ような楽曲に、ユリオが放つ美貌としなやかさが融合することで、無償の愛は完成しました。<第3・8・11滑走>
映画"上海ブレイド"より「The Inferno」(ジ・グァンホン/フリースケーティング)
中国の若きエース、・ジ・グァンホンのフリースケーティングの楽曲もお気に入りです。
殺し屋が英雄となる上海の裏社会を描いた架空の映画劇伴に漂うのは、スリリングな雰囲気。
緊迫感のある楽曲にのせて、普段の可愛い彼からは想像できない凛々しい眼光が光ります。まだまだ、若い分技の難易度はベテラン勢に比べると劣りますが、内に秘めた闘志からは「英雄」になる素質を十分に感じることができます。 これだけ緊迫感があり、終盤にかけてドラマチックになっていく楽曲を滑りきった後に、SNS狂ならではの一言が漏れるのも一興。
もうSNS 全部やめて、練習する
とクマのぬいぐるみを噛んで悔しがるという演技前後のギャップまでをセットでお楽しみ下さい。<第7滑走>
「Intoxicated」(クリストフ・ジャコメッティ/ショートプログラム)
25歳のベテラン クリストフ・ジャコメッティのプログラムもたまりません。まずは、彼が滑っている間に頭の中で考えている事を見ていただきましょう。
大人のエロスは僕の専売特許だよ
僕の興奮は収まらないからね
ああ…イキそう…
滑りながら顔を赤らめ絶頂するスケーターなんて、彼ぐらいしかいないと思います。「専売特許」と言い切るエロスは、メーターを振り切り世の女性の深部を刺激します。
ゆったりとしたテンポのネットリとした楽曲からは、大人の触れてはいけない世界の香りが漂ってくるかのよう。 またクリスの演技には、カメラワークも大きく貢献していて、舐め回すようなアングルが、大人のエロスを助長するひとつの要因になっています。彼の演技を観たタイの20歳ピチット・チュラノンはこう漏らします。
氷がびしょ濡れに見える
まさか彼が、ジュニア時代は野原を駆け回る純真無垢そうな少年だったとは誰が思うでしょう。ちなみにバスローブの着こなしも、ものすごくアダルト。子どもはみちゃダメ。<第6・11滑走>
Partizan Hope(ジャン・ジャック・ルロワ/フリースケーティング)
カナダの自称キングJJことジャン・ジャック・ルロワ。自信以外の感情がないのかとツッコみたくなる彼のフリーのプログラムは、カナダの壮大な大地を彷彿とさせる、雄大な楽曲で魅せつけてきます。言動がいちいちイラッとするJJですが、口から出る自信に結果はしっかり伴っています。グランプリシリーズで2回金メダルを獲得し、堂々グランプリファイナルへ進出した実力者です。
ショートでは、グランプリファイナルの魔物に取り憑かれ、今までに経験したことのないミスをしてしまいます。フリーでもミスを引きずり序盤は思い通りの演技ができませんでしたが、JJらしさに立ち返り、持ち直し、締める彼の姿に王者の貫禄を感じずにはいられませんでした。なんだか彼を原点に導くための楽曲だったのかなと思ったほどです。<第9・12滑走>
あと、私はフリーの楽曲のほうが好きですが、ショートの楽曲のほうが「JJ全面押し」なので、その理由を知りたい方はこちらも聴いてみてください<第8・11滑走>
ベートーヴェン:交響曲第9番 第2楽章 「降臨」-建国版-(オタベック・アルティン/フリースケーティング)
第1滑走から数回チラつき、何者なのか焦らされ続けた男が、ついにファイナルに登場。カザフスタンの英雄 オタベック・アルティンのプログラムは、一言で言うなら「いぶし銀」。
実はジュニア時代に、ヴィクトルとユーリの所属するスケートクラブのキャンプに参加していたオタベックは、バレエレッスンについていけず、挫折を味わった過去がありました。ただしそこで折れることなく、自分のスケートを突き詰めた結果、技と力強さを極めるという道を見出します。
楽曲と彼のスケートスタイルがマッチした時、荘厳な世界が広がります。他の人とは違う強さを極めた美しさを感じ取ることができます。 <第12滑走>
Yuri on ICE(勝生勇利/フリースケーティング )
さて、この『ユーリ!!! on ICE 』のキーにもなっているであろう、勝生勇利のフリースケーティングプログラムの楽曲「Yuri on ICE」。とりあえず、この曲は聴いて、観た瞬間に体の中に電撃が走りました。
勝生勇利のスケート人生を描いた楽曲。
元々人付き合いも苦手で、どこか孤独にスケートに打ち込んできた彼が、ヴィクトルに出会うことで、改めてたくさんの人の「愛」に気づき、自身の「愛」を広げ伝えていく、そんな物語のような楽曲です。
単調でどこか儚く脆いピアノの音色から始まる楽曲が、徐々にあらゆる人の手や心を受け取るかのように音の幅を持ち始め、終盤にかけて花開いていきます。1人で抱え込み、弱みを見せるのが苦手だった勇利の思考が、この曲を滑るたび内から外に変わっていくのもまた良いのです。
最初はプログラムを滑りきるのに必死だったのに、最終的にはヴィクトルやライバルたち、家族や地元、関わってきた愛を届けたい人たちと滑っているかのようなスケーティングに変わっていく。その過程を含めて本当に美しくて、目が離せない「Yuri on ICE」のプログラム。最終滑走でコーチであるヴィクトルの代名詞4回転フリップを決めたシーンでは涙が止まりませんでした。<第4・5・7・9・12滑走>
そして実は、この「Yuri on ICE」にはお蔵入りしたデモバージョンがあります。
リンクメイトだったピチットくんの友人に「自分のスケート人生をイメージして曲を」と勇利が頼んで作ってもらった楽曲。でも、当時の勇利はどこか自分に自信が持てずにいたので、出来上がった曲も「勝つ」ことをイメージできるものではなく、使わずじまいに…。 でも、神様のような存在だったヴィクトルとの時間を通して、多くの人から受け取ったものをスケートで返していきたいという気持ちが強くなり、改めて曲を作り直してもらって、「Yuri onICE」が完成するのです。
たしかにこの1st sketchは、美しいピアノの音色のなかにどこかどんよりした空気感を帯びているように感じます。でも、これはこれでとても人の弱い部分を淡々と表現した素晴らしい曲だなとも思うのです。<第4滑走>
私生活を覗き見している感覚がたまらないSNS使い
最近のアニメでは、SNSの使用描写がよく観られます。『ユーリ!!! on ICE』でも頻繁にSNSの描写がでてきたのですが、描かれ方がとってもナチュラ ル。日常に自然に溶け込む描写だから、大好きな有名人のSNSアカウントをフォローしてタイムラインを覗いているかのような感覚を味わえるんです。
そして、特筆すべきはエンディング映像。自分のスマホをスクロールしてスケーターのインスタをみているような錯覚さえ起こします。魅力的なキャラクターたちの私生活が筒抜けで、もうたまらん…♡ JR九州の車両座席風景も描かれていて、乗ったことのある身としてはちょっとした優越感に浸れました。
また、第10滑走のエンディングは特別仕様。スケーターのフォトフォルダーまで大公開!の大サービス。社交性やマナーを学ぶ試合後のパーティー バンケット で見せた勇利とクリスの半裸(0.8裸)のポールダンス画像は必見です。
何回観ても新たな魅力に気づく『ユーリ!!! on ICE』
全12話ある『ユーリ!!! on ICE』を、ハマってから軽く20回は繰り返し観ている私。そして、2017年9月23日から全国の映画館の4DXでアニメ1クールが上映されたので、何回もみてるくせに、劇場まで足を運んできました。ちなみに4DX処女。
そもそも『ユーリ!!! on ICE』を小さなパソコンの画面で観て大満足していた私なので、映画館の大きな画面で観たら卒倒するなんて想定内の出来事だったんです。でも、4DX凄え。ヴィクトルが近寄ってくる時に、めっちゃいい匂いする。ただでさえ色気のある人がこんな匂い漂わせたらダメだって。干上がったアラサー女には刺激が強すぎますって…。
そして大好きな楽曲を大音量で聴ける幸せ。加えて家では体感できない大画面でみるスケーティング。これ企画した人に感謝したい。
なにより、何度観ても面白いんです。同じキャラクターの行動ひとつとっても、実はこういう思考からくるもんなんじゃないかとか、「うそ、こんな表情してたの?」みたいなシーンが掘れば掘るほど再発掘されるんです。とにかく、何回観ても飽きないのです!!! 本当になんでリアルタイムで追ってなかったんだろう…。
でも、こうやって魅力に気づいてのめり込める作品との出会いっていいなあと改めて感じているところです。 ぜひ、騙されたと思って1話みてください。ヴィクトルの乳首の美し、じゃなくって、映像・音楽・ストーリー全てに目が釘付けになると思います!!!